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八丁堀で剣術の師範を行っている[武田誠太郎]は、正五郎の師匠でもあり父でもある。
その誠太郎が八丁堀にて構えている剣術道場では、土地柄もあり町方の同心もよく稽古にやってくるほどの大きな道場であった。
正五郎は現在その道場の師範代に収まっている。
最近の正五郎は、この師範代という役職がまさに良いように使われているだけな気がしてならないのである。
剣術を極めたい、もっと多くの人々に剣を通して様々な事を伝えたい、ゆくゆくは江戸に名を轟かせたい。
と、大きな野望をもった正五郎は父からの度重なるコマ使いに最近嫌気が差してきていた。
というか、単純にイライラしていたのである。
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