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「だいぶ『ソウルクリミナル』の力に慣れてきたみたいやん
『アルマソウル』とのシンクロ速度も上がってきとるし
うちとしては育てがいのがあるわ~
でもそれはなんも知らんかった頃と比べてや、まだまだ精進せなあかんな~
ま、うちの知っとる限りでは成長速度は速い方ちゃう?」
俺が報告しようとした矢先に真珠さんは俺達の様子について率直な感想を言う。
そんな評価がくだされることは俺自身わかっていた。
だが、それも仕方ない…一週間前まで俺は魔法も何も知らなかったのだから。
いや、そもそも俺は魔法を使えない。
『エレジア』の人間である俺には魔法を使う能力も技術も才能もないのだ。
それは姉さんも同じである。
では、俺が先ほど使ったモノはなんだったのか?
それは真珠さんが言っていた『ソウルクリミナル』と『アルマソウル』に関係している。
だが、その説明はまた後でにしよう。
今は真珠さんから受けた任務を報告して試験の結果を受け取るのが最優先事項だ。
俺はポーチにいれていた依頼物『スタッグボアー』の牙の一部を取り出して机に置いた。
その瞬間、真珠さんの目つきが変わる。
「直人君…うちにデスクワークをしろと?
冗談も大概にせんと殺るで~」
「いやいや!あくまで言い出したのは真珠さんですからね?
俺はその指示に従って言われたものをとってきて、言われた通り報告しに来ただけですよ?」
笑顔で理不尽な殺意を向けてくる真珠さんに俺はツッコミをいれる。
こんなことで殺されるなんてたまったもんじゃない!
俺の思いが通じたのか、真珠さんは嫌々ながらも牙を持ち上げて鑑定する様に見……
「面倒だから合格でええよ~」
…なかった!
全くと言っていい程見なかった!
一瞬でポイしたよ!
どんだけデスクワークしたくないんだこの人は!
「まあ……」
俺が心の中でツッコミまくっていると真珠さんが真剣な表情をして俺を見る。
「うちが育てたんや、実力は試験せんでもわかっとるつもりやで
それにこっちに来てからたった一週間や
座学…特に魔法関連の方はからっきしやろうからな
その辺は入ってから学べばええ」
俺は真珠さんの言葉に背筋を伸ばす。
さすが腐ってもギルドマスター
その威厳はありありと伝わってくる。
「とにかく合格おめでとう
明後日の月曜から君は我が『狼苑学園高等部』の学生や
ようこそ…『狼苑学園』へ……」
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