第三章:『無力な自分』

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「別にいいのだが…時間がかかるぞ? そうだな~……だいたい最低一週間だな…」 「いえ、それで構わないのでお願いします お礼はしますので…」 「なら、直坊がよく作ってるタルト あれをワンホールくれ、甘いのをな」 「それくらいならお安い御用です」 「よし、ばっちりやってやんよ!任せとけ!」 「ありがとうございます」 賢樹さんと交渉成立した俺はお辞儀をして待ち合わせ場所に戻ることにした。 カフェに戻るとすぐにすっかり元気になった竜也と一緒に話している真友香達の姿が目に入った。 俺はそんな三人に声をかけながら席に座ると、水を持ってきたウェイトレスにコーヒーを頼む。 「で、相談したいことって何?」 注文し終えた俺に真友香が即座に質問をしてきた。 俺はそんな真友香達をみながらこれから言う言葉を慎重に選びながら段取りを決める。 「じゃあ…魔法について教えて欲しいんだけど… さっきの幻惑魔法を使える属性はなんなのか…そして使えるレベルはどのくらいなのか…」 まずは当たり障りのない言葉と俺が気になっていることをぶつける。 その質問に真友香達は少し考え込むような仕草をして真友香は一枚の紙を取り出してそこに文字を書きながら説明を始める。 「まず、使える属性から説明するね 幻惑魔法を使える属性は火炎、風迅、地殻、雷電を除いた全ての属性で使えるんだよ で…その中でさっきみたいに周りの景色を完全に変えて同じ場所をぐるぐる回らせているような感覚にさせて全部の感覚を麻痺させることで完全に幻惑…違うかな…幻覚に落とすことが出来る属性は……」 真由香は使える属性の上から線を引いていく。 そこに残ったのは二つ…天光魔法を暗黒魔法だけになった。 「この二つだけかな…特に暗黒魔法は一際強い魔法が使えるよ まあ…得意な人じゃないとあれだけの物は創り出せないんだけどね」 「なるほどな…じゃあさ……クラスメートの中でこの二つが得意な人をリストアップしてくれないか?」 俺の言葉に真友香達は首をかしげる。 まあ、理由もわかるような気がする。 あの状況だと誰がその魔法を使ってもおかしくはない。 つまり、他のクラスメートが混ざってもおかしくはないのだ。
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