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「で…魔法陣の軸となる式の並びには幾つもの法則性があって……」
「あぁ…もうだめだ……」
真友香が教えている最中に俺は思わず弱音を吐いてしまう。
普段の俺ならたかが中間テストくらいで弱音は吐かないものなのだが、何分基礎を知らないため、余計に覚えないといけない量が半端ないのだ。
どう言えばいいのだろう…小学生が小学校で習う算数から中学生の最後に習う数学までを一気に教えられているような気分だ。
一応、真珠さんに頼んで俺が担当する依頼を減らしてもらっている。
のだが…流石にそれほどの量をこなすのはいささか骨が折れる。
「ん~確かにこの量は無理があるよね……」
真由香もそのことには気がついているようで困ったような表情をして手に持っている教科書に視線を移す。
竜也と亘も確かにと言いたげな表情をして自分の作業から顔を上げる。
「どうしたものかな~……直人君頭はいいからすぐ覚えられそうなんだけど時間がないんだよね~」
真友香はそう言いながら自分のベッドに腰掛ける。
言い忘れていたが現在俺達は真友香の部屋…と言うより真友香達の家にいた。
彼等は三人で一つの家をルームシェアしているような状態らしく両親とは一緒に暮らしてないようだ。
俺もそのへんは詳しく聞こうとは思わなかった。
「真友香…一つ提案なんだけど…」
ふいに竜也が提案をするように手を上げる。
そこに俺達の視線が集中される。
「期末は六割が進級点なんだろ?
ならさ…中間はそれに響かない点数を取ればいいんじゃないか?
幸いにも平常点は別採点で加算式なんだからさ……」
「別採点で加算式?」
俺は竜也の提案で出てきた聞きなれない言葉に質問する。
「ここの学校では中間四割、期末六割が進級点に割り当てられて、それが合計40点未満なら赤点という形式なのは知ってるよな?」
「ああ、入るときに真珠さんに聞いた」
「んで…更にここへ平常点ってのが入るんだが
普通のところだと…中間三割、期末五割で平常点二割となっているんだ」
「つまり中間期末平常点合わせて満点十割の内四割未満だと赤点」
「そう…だけどここは別計算で加算式…つまり中間期末合わせて満点十割に平常点がプラスとなって満点十二割となるわけだ」
「つまり、120点満点中40点取ればいいという、余裕ができるわけだ」
「そういうこと!」
そのことを聞いて俺は結構安心する。
まだ余裕があるという望みがあるのだ。
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