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「やっぱり…」
「どゆこと?」
弾みまくったスーパーボールを回収した竜也は納得するように何度も頷く。
真由香も同じような表情をしているのだが、俺はなんのことだかわからなかった。
「つまり、あの魔法石は認識能力と反射運動を格段に上げる魔法が使えるってことだよ
多分、重複でかけることはできなさそうだけど…」
そんな俺に真由香は顎に手を当てて分析しながら答えた。
その回答に俺も納得はした。
確かにあの一瞬で飛んできたものがスーパーボールだと気づけたのも、あのタイミングでよけれたのも魔法石のおかげだと思わざるを得ない。
だが、その後の回避運動に対しての二人の驚き様は少し大げさだと俺は思った。
「でも、さっきのはちょっと大げさすぎない?」
というか思わず口にしてしまった。
「いやいや…あれを魔力無しでよけれたらやばいぞ!?」
「え?」
「だって…さっきのは魔力を使った身体能力強化訓練用のスーパーボールで反射角とかランダムだし、スピードも異常に早いし…」
俺の言葉に真由香と竜也は一呼吸おいてから口々に驚きの事実を言い出す。
その内容には驚かざるを得ないだろう。
「ま、とりあえず反射運動と認識能力を上げるという能力があることと、それが重複しないこともわかったからいいんじゃないのか?
とりあえず今は勉強だろ?」
驚きっぱなしの二人に俺はそう締めくくると、ナイフをナイフケースにしまって勉強を再開するよう促した。
真由香も「そうだね」といって座って教科書を広げ、竜也は頷いてペンを握った。
そしてある程度時間が進んだ時
「………ところでさ…何か忘れてないか?」
「「あ……」」
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