731人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
零と学校へ着き、時間を確認すると走った為か割と早く着いていた。
「走って来たのか・・・。」
玄関に行くと靴を脱いでいる元君に会い、僕と零は繋いだ手をそっと離した。
「もう、置いていくなんて酷いじゃないですか。」
「遅いのがが悪い。」
僕が文句を言っても元君は意に介さず、ふいっと顔を逸らされた。
「教室行きましょうよ。」
零が僕の袖を少し引っ張り、教室へ促してくる。
可愛いです。
「はい、行きましょう。」
きっと僕の今の顔はにやけてるだろうな。
元君は少し後ろから僕達のあとを無言でついて来る。
少しうるさ過ぎたかな?
元君はうるさいの嫌いだし。
謝った方が良いかな?
そんなことを考えていると、零に話し掛けられた。
「総真、香坂さんって遅刻多いんですか?」
「香坂さんですか?遅刻も早退も多いですよ。」
「そうなんですか・・・。何か理由があるんでしょうかね。」
零が悲しそうに眉を下げた。
零は優しいな。
..
最初のコメントを投稿しよう!