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「なぁ、要。さっき男と手ぇ繋いで走ってった女子紹介しろよ。」
「は?星名零のこと?」
男の言った言葉に香坂は怪訝そうに首を傾げた。
「へぇ、星名零って言うのか。こりゃあますます会いたい。」
男はポケットからまた棒付き飴を取り出し、口に入れる。
「ハァ、残念。私あの子と仲良くない。」
「まぁ、だろうな。なら優夏にでも紹介してもらうか。」
「絶対止めた方が良い。優夏はかなりあの子嫌ってる。」
「要も、だろ?星名零の事嫌いなの。俺に嘘ついたら駄目。」
見透かす様に男は香坂を見てニヤリと笑った。
「・・・自分でも良くわからない。でも、見てると気分が悪い。」
「ぶふっ!要、それ嫌いって言ってるようなもんだぞ。」
男はついに声を出して笑い始めた。
「うるさい。さっさと学校行けよ。私ももう行く。」
「はいはい、わかったわかった。またな要。」
香坂は学校に歩き始め、男はバイクを走らせ自分の学校へと向かう。
「まったく、運命はめんどくさいな。あの人に電話するか。」
ニヤリと笑い、男は耳に発信したケータイをあてた。
「もしもし、吉田稔ですけど―――――――――――――――――――――――――
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