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日曜日、私は9時過ぎに亮に起こされた。
「まだ眠い…」
完全に寝不足な私は寝ぼけていた。
「早くシャワー浴びないと、前田さん来ちゃうよ」
亮の言葉に無理矢理シャワーを浴びた。
シャワーから出て、ダンボールの山に何もないことに気づいた。
「コーヒー、飲みたい」
私がそう呟くと、亮が苦笑いした。
10時過ぎ、前田が1人で部屋に来た。
私と亮が驚くほど、前田は真っ青な顔だった。
「前田、何かあったの?」
「あ、いや…別に」
前田ははっきり言わなかった。
「俺、コーヒー買ってくるよ。30分くらいで戻るから」
何かを感じたのか、亮はそう言って部屋を出て行った。
「西園寺さんに、気を使わせちゃった」
前田が俯いて、ため息をついた。
「で、何があったの?」
私はタバコに火をつけた。
前田は、意を決したように私を見た。
「真理が、妊娠した」
私は予想もしなかった前田の告白にびっくりしてしまった。
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