気持ちと責任

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真理ちゃんはにっこり笑って、持ってきた袋を見せた。 中にはお弁当が入っていた。 「さすが、真理ちゃん。ありがとう」 私は笑ってお弁当を広げて、3人に座るように進めた。 「陽子」 亮を見ると、目で合図をされた。 「あ、忘れてた」 私は慌てて、立ち上がった。 「真理ちゃん、紹介するね。西園寺亮さん」 私は亮を紹介した。 「忘れるなよ…。西園寺です、はじめまして」 亮は苦笑いしながら、真理ちゃんに挨拶した。 真理ちゃんも挨拶をした。 「ほら、じゃあ食べようよ。座って、座って」 4人でお弁当を囲んで座った。 「食べる前にいい?」 私がお弁当を開けようとすると、前田が言った。 私は待っていた前田の言葉に、手を止めてきちんと座り直した。 「真理と結婚することになりました」 前田が少し照れながら言った。 真理ちゃんは前田の横で、嬉しそうに顔を真っ赤にした。 「佐々木さん、ありがとうございました」 真理ちゃんが私にお礼を言った。 その雰囲気がとても可愛くて、私は微笑んだ。
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