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私は帰ってからいつものように、リビングのテーブルで仕事を始めた。
亮の側は仕事に集中できるみたいで、部長に頼まれた仕事は思った以上に順調だった。
「順調?」
亮がコーヒーを入れてくれた。
「かなり順調。このぶんだと、4日は納期短縮できるかも」
私は仕事の手を止めてソファーに座り直し、コーヒーを飲んだ。
「じゃあ、ちょっとだけ…」
亮は私のコーヒーカップをテーブルに置き、私の前に膝で立ち私を抱きしめた。
私は流されそうな頭を必死におさえ、亮に気づかれないようにデータを保存した。
仕事の流れを頭の中で確認し、もう一度順調な事を確かめた。
「ちょっとじゃなくてもいいよ」
私は亮の背中に腕を回し、呟いた。
亮の顔が見えなくても、亮が微笑んだ事がわかった。
亮は私から少し離れ、私にキスをした。
「じゃあ、ベッドに連れていってもいい?」
私は頷いた。
「その前に保存したほうがいいんじゃない?」
亮がパソコンを指差し言った。
「もう保存した…」
私が苦笑いすると、亮はにやっと笑って私を抱き上げた。
「さすが、陽子。仕事にぬかりはないね」
私はそのまま、ベッドに運ばれた。
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