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「よかったら、式の前に真理ちゃんに会ってあげて」
前田のお母さんはそう言って、新婦の控室の場所を教えてくれた。
私はお礼を言って、控室に向かった。
控室のドアをノックした。
「はい、どうぞ」
中から、少し緊張しているような真理ちゃんの声が聞こえた。
「真理ちゃん、おめでとう」
私は中に入った。
「佐々木さん」
真理ちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
私は時間が止まったような気がした。
それくらい真理ちゃんが綺麗だった。
真理ちゃんが好きそうな甘いデザインの真っ白なウエディングドレスは、幸せの象徴のようだった。
まるで、今世界で1番幸せなのは真理ちゃんだと言っているようだった。
「すごく綺麗。真理ちゃん、よかったね」
私は心からそう言った。
「佐々木さん、本当にありがとう」
真理ちゃんは見たこともないくらい幸せそうに笑った。
「真理、入るよ」
前田の声が聞こえた。
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