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私はみんなから少し離れて、亮に電話をした。
「後、5分くらいで着くよ」
私は電話をきって、前田のところに行った。
「亮が迎えに来てくれたから、そろそろ帰るね」
「西園寺さん、来てるの?会いたいよ、お礼も言いたい」
前田はそう言うと、友達と話している真理ちゃんのところに行った。
すぐに、真理ちゃんの手を引いて戻ってきた。
「亮に真理ちゃん自慢したいだけじゃないの?」
私が笑って言うと、前田と真理ちゃんの顔が少し赤くなった。
「じゃあ、ここに連れて来るよ」
私はそう言うと、外に向かった。
「佐々木さん、もう帰るの?」
教会の前の歩道で亮を待っていると、さっき話した前田の友達が追いかけてきた。
「まだ帰らないよ。連れが来るから、迎えにきただけ」
「連れって彼氏?」
私は頷いた。
「お待たせ」
私が振り向くと、少し走ってきたように息をきらせた亮が立っていた。
「今言ってた彼氏?」
私が頷くと、前田の友達は軽く亮にお辞儀をした。
「前田の友達の…、名前聞いてなかった」
亮に紹介をしようとして、私は言葉に詰まった。
前田の友達が吹き出した。
私も笑ってしまった。
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