1144人が本棚に入れています
本棚に追加
/329ページ
「結婚式はどうだった?」
食事をしながら、亮が聞いた。
私は真理ちゃんが綺麗で幸せそうで、夢心地になった話をした。
亮は楽しそうに聞いてくれた。
「うらやましいって思っちゃった」
私が素直に言うと、亮は優しく頷いた。
「『陽子も女の子なんだな』とか茶化さないの?」
私がふざけて言うと、亮は少し怒った顔をした。
「陽子は女の子だよ。俺の好きな人の事、馬鹿にしないで欲しいんだけど」
私は照れ臭くて、少し俯いた。
「それに…仕事が1番ってだけで、結婚願望がないわけじゃないってわかってるつもりだよ」
私は亮を見た。
亮は真剣な顔で真っ直ぐ、私を見ていた。
自分勝手な感情でさえ、亮に言われると許される気がしてしまう。
私はグラスのワインを飲み干した。
「私って勝手でしょ?」
私は結局、亮に否定して欲しくて聞いてしまった。
亮は優しく笑った。
「そんなこと…」
「やっぱり答えなくていいっ」
私は亮の言葉を遮った。
最初のコメントを投稿しよう!