花嫁

11/14

1144人が本棚に入れています
本棚に追加
/329ページ
「結婚式はどうだった?」 食事をしながら、亮が聞いた。 私は真理ちゃんが綺麗で幸せそうで、夢心地になった話をした。 亮は楽しそうに聞いてくれた。 「うらやましいって思っちゃった」 私が素直に言うと、亮は優しく頷いた。 「『陽子も女の子なんだな』とか茶化さないの?」 私がふざけて言うと、亮は少し怒った顔をした。 「陽子は女の子だよ。俺の好きな人の事、馬鹿にしないで欲しいんだけど」 私は照れ臭くて、少し俯いた。 「それに…仕事が1番ってだけで、結婚願望がないわけじゃないってわかってるつもりだよ」 私は亮を見た。 亮は真剣な顔で真っ直ぐ、私を見ていた。 自分勝手な感情でさえ、亮に言われると許される気がしてしまう。 私はグラスのワインを飲み干した。 「私って勝手でしょ?」 私は結局、亮に否定して欲しくて聞いてしまった。 亮は優しく笑った。 「そんなこと…」 「やっぱり答えなくていいっ」 私は亮の言葉を遮った。
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1144人が本棚に入れています
本棚に追加