二兎追うもの

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1人で適当に夕飯を済ませ、シャワーを浴びた。 今日の打ち合わせ内容の確認を兼ねて、貰ったデータの整理を始めた。 データの整理はすぐに終わり、私はため息をついた。 「やばい、寂しい…」 思わず呟いた独り言に後悔をする。 気づかないようにしていたのに、呟いた感情は私を支配していった。 思わず苦笑いする。 今までは1人でいる事が当たり前で、2人でいる事が特別だったのに。 このわずか数ヶ月の同棲生活が、自分をこんなにも弱い人間にした事に驚いた。 時計を見ると23時だった。 終電後から夜勤は始まるので、今はまだ現場は始まっていない。 亮の事を考えていた。 その時、私の携帯が着信を知らせた。 恥ずかしいくらい早く携帯に出てしまい後悔をした。 「出るの早いね。寂しかった?」 少し嬉しそうな亮の声に思わず顔がにやけてしまった。 「別に、今携帯いじってたから」 強がって嘘をついた。 「夜勤始まるまで時間あったから、俺は寂しくて電話しちゃった」
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