二兎追うもの

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私は頭を触る心地好い感触で目が覚めた。 目を開けて見ると、ベッドに座る亮がいた。 「ごめん、起こしちゃった?」 「大丈夫」 私は亮に抱き着こうと両手を伸ばした。 何か違和感があり確認すると、亮の枕だった。 「あ…ごめん。違う、違うよ」 亮が何か言ったわけではないが、私は恥ずかしさに慌てて枕を元の位置に戻した。 「こんなの見せられたら、もう夜勤やりたくなくなっちゃう」 亮はそう言うと、私に何度もキスをした。 キスがだんだん深くなる。 「寝なくていいの?」 唇が少し離れた瞬間に、私は聞いた。 「睡眠よりこっちのほうが元気になれる気がする」 亮はまた軽くキスをした。 「というより、もう止まらない」 亮は深いキスをした。 私は全てを亮にあずけた。 寂しかった私の心も体も亮で満たされていった。
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