二兎追うもの

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私も亮もバタバタしたまま、金曜日になった。 亮はあれ以来夜勤はなかったものの、毎日23時くらいまで残業だった。 私も家に仕事を持って帰り、遅くまで仕事をしていた。 一緒に夕飯は食べられなかったが、それでも一緒に寝ることは出来た。 一緒に暮らしていてよかったと実感していた。 「亮は今日から休みなんだから、まだ寝てればいいのに」 私の出勤時間に合わせて起きてきた亮が、コーヒーを入れてくれた。 「朝、2人でコーヒー飲むの好きなんだよ」 亮の言葉に嬉しくなって、私は上機嫌でコーヒーを飲んだ。 「今日、何時くらいに終わるの?」 「まだ、わからない。沢山残業して、早くお盆休みに入るのもいいかななんて」 私は少し考えて言った。 「夕飯、一緒に食べれるかわかったら連絡して」 私は吹き出した。 「なんかどっちが男か、わからなくなりそうな会話だね」 亮も笑った。 今日は、私がキスで見送られた。
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