二兎追うもの

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久しぶりに会社に出勤すると、珍しいからかみんなに声をかけられた。 私は挨拶をしながらデスクに向かった。 もう後輩達と清水が待っていた。 私は大まかな仕事の流れを説明し、それぞれに仕事を振り分けた。 「来週の水曜日には終わる感じでお願いね。残業して早めにお盆休みに入ってもいいし、定時で上がってもいいよ」 私は3人の顔を見ながら言った。 「じゃあ、任せたから」 私と仕事を2年以上やっていた後輩達は、返事をしてデスクに戻っていった。 こんな風に仕事を任された事の無い清水は、まだデスクには戻っていかなかった。 「清水は、自分の思う様に今日と明日やってみな。様子みて、考えるから」 「…はい」 清水から頼りない返事が返ってきた。 「大丈夫、自信持ちなよ。私にとって、大事な戦力だって言ったでしょ」 私はそう言って、清水の背中を叩いた。 「はい」 清水は元気良く返事をして、デスクに戻った。 私も仕事を始めた。 12時少し前に、部長が出社してきた。 「佐々木、遅くなってすまん。順調か?」 部長は午前中、他の仕事があったようだ。 「大丈夫ですよ。部長の分は仕事とってありますから」 私がそう言うと、部長は苦笑いした。
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