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「陽子って、考え方古いよね」
「え?」
私は亮の言葉に思わず、聞き返した。
「バリバリ働いてるくせに、女とか男とかこだわってるよね」
「そんな事無いよ。…たぶん」
私はだんだん声が小さくなった。
「家事は女がするものだって、意識してなくても思ってない?」
亮に聞かれ、私は否定できなかった。
「俺は、暇なほうが家の事をやればいいと思うんだけど。だから、陽子がそれをちゃんと受け入れてくれないと結婚は出来ないよね」
私は曖昧に頷いた。
「俺がご飯作ったら、単純に喜んで欲しい」
亮の笑顔に私も笑顔になった。
「じゃあ、遠慮なく喜ぶ事にする」
亮は私の頭を優しく触った。
「片付けは私がやるね」
私は勢いよく立ち上がり、片付けを始めた。
すっきりと心の底から、亮と対等だと思えるのだろうか。
対等だと思っていると、一緒に暮らす時に亮が言った台詞の本当の意味がわかった気がした。
後1年で1つ1つ乗り越えて、私は無事にプロポーズしてもらえるのだろうか。
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