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「考え事は解決しそう?」
気がつくと、亮が私の後に立っていた。
私はごまかすように笑った。
「考え過ぎも良くないよ」
亮は私を後から抱きしめた。
「そんなこと言ったって、西園寺陽子になりたいんだもん」
私は少し拗ねた様に言った。
「俺も逃がすつもりないから、大丈夫」
私は少し笑った。
「お風呂沸いてるんだけど、久しぶりに一緒に入ろう」
亮が私を抱きしめる腕を強めて言った。
「え?」
「逃がすつもりないよ」
私はそのまま、お風呂まで連れていかれた。
「陽子、愛してる」
私をいじりながら、亮が囁いた。
私は何も考えられなくなって、やっぱり亮には敵わないと思った。
「やっぱり…亮には敵わない…」
私が必死に声に出すと、亮が少し笑った。
「こういう時はそれでいいんじゃない?でも、俺も全然余裕ないけど」
「嘘つき…」
私は亮にしがみついて囁いた。
「嘘じゃないよ。今だって、どうやって上手にベッドに連れて行こうが悩んでるし」
「馬鹿…」
私は呟いた。
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