二兎追うもの

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こつこつと残業をして、水曜日の午前中には仕事は形になった。 亮はその間に4回夕飯を作ってくれた。 水曜日の昼休み明け、私は後輩達を集めた。 「後はチェックと印刷だけだから、みんなはお盆休みに入っていいよ」 みんな、ほっとした顔をした。 みんなが昼休みをとってる間に、私が軽く目を通した限り大きな間違いはなかった。 「お疲れ様でした」 片付けをして、それぞれが会社を出ようとした。 「お疲れ様。この打ち上げは納品が無事に終わったら、連絡するから」 私がそう言うと、嬉しそうに帰って行った。 「部長も上がって大丈夫ですよ」 私は部長に言った。 「手伝うよ。佐々木も今日は定時で上がれ」 「ありがとうございます」 私と部長は黙々と図面のチェックをした。 「よし、後は印刷だけだな」 2人でやったので、15時にはチェックは終わった。 部長が私の隣に座り、タバコに火をつけた。 私も軽く伸びをし、タバコに火をつけた。
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