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「私、自炊する」
お盆休み最終日、私はお盆休み中に考えていた事を亮に言った。
「え?」
亮はびっくりして聞き返した。
「ずっと考えてたんだけど、このままじゃいけない気がして」
亮がため息をついた。
「毎日じゃないよ」
私は慌てて言った。
「亮と私が19時くらいに帰れる日だけ。まあ、週に2回くらいになるかな…」
私はごまかすように笑った。
「無理は駄目だって言ってるじゃん」
亮は呆れたように言った。
「無理じゃないよ。忙しかったら、ほぼ自炊しない感じじゃん」
亮は納得していないようだった。
「自炊が無理なんじゃなくて、そうやって決めなくてもいいんじゃないかって事」
私は少し考えた。
「でも、決めなきゃやらなそう…」
私は正直に言った。
「俺は陽子とずっと一緒にいるつもりなんだよ。期間限定じゃない、これから何十年の話だよ」
私は頷いた。
「今のままじゃ駄目なの?」
亮の優しい言葉に私は大きく頷いた。
「結婚とちゃんと向き合いたいの。うまく言えないけど…部長にもあんな風に言ってもらえて、亮にも大事にされてて、私も甘えてばかりってわけにはいかないかなって」
亮は優しく笑った。
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