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「無理はしないでね」
「どれだけ私のハードル低いのよ」
私が苦笑いして、亮が笑った。
「でも、今日の夕飯は叔父さんの店だよ。行くって言ってあるからね」
亮に言われて、私は笑顔で頷いた。
18時過ぎに、亮と大将の店に向かった。
「今日、大将が店においでって言ったんだよね。なんだろうね?」
大将は私達が店に行くと歓迎してくれるが、自分から店によんだりはしない。
亮にも理由がわからないらしく、首を傾げた。
大将の店の前に行くと、明かりはついていたが暖簾は出ていなかった。
私達は不思議に思いながら、店に入った。
「いらっしゃい」
店に入ると、いつもの大将と見たことのない女の人がカウンターの中にいた。
「叔母さん」
亮がそう呼んで、私はその人が大将の奥さんだとわかった。
「亮、久しぶり」
叔母さんはにっこり笑って言った後、私を見た。
「佐々木陽子です。初めまして」
私は慌てて自己紹介をした。
「やっと陽子ちゃんに会えた」
叔母さんは嬉しそうに笑いかけてくれた。
「この人ったら、亮の彼女と仲良くなったって自慢ばっかりするんだから」
叔母さんは大将を指差して言った。
「うるさいよ。陽子ちゃんと亮もそんなとこに立ってないで、座りなよ」
私は少し照れてる大将にそう言われ、カウンターに座った。
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