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「ビールでいいよな」
大将はそう言って、4つ生ビールを用意してくれた。
私達は乾杯をして、生ビールを飲んだ。
「いつ帰国したの?」
亮が叔母さんに聞いた。
叔母さんは海外赴任していると、亮が言っていた事を思い出した。
「昨日、帰国したの」
「いつまで日本にいられるの?」
亮がまた質問すると、叔母さんはにっこり笑った。
「たぶん、死ぬまで」
「え?」
私と亮の声が同時に出た。
「仕事、辞めたの」
叔母さんはさらっと言った。
「辞めちゃったんですか?」
私は確認するように聞いた。
「辞めちゃったって言うより、辞めたって感じかな」
叔母さんは子供みたいに笑った。
「はい、お待たせ」
大将が料理を出してくれた。
叔母さんが帰ってきて嬉しいのか、4人では食べきれないほどのご馳走だった。
それから叔母さんの海外での話や、私と亮の事など楽しく話しながら食事をした。
いつもより上機嫌な大将は、珍しくよく飲んでいた。
「あんまり飲み過ぎないでよ。この人、飲み過ぎるとすぐ寝ちゃうから」
叔母さんがそう言っても飲み続けた大将は、カウンターの中で寝てしまった。
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