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「真理、びっくりするくらいたくましくなったよ。佐々木の方が可愛いげがあるんじゃないかと思うくらい」
私は笑った。
「真理が会いたがってるよ」
私は結婚式以来、真理ちゃんと会っていない。
正直、赤ちゃんを見るのが怖いのだ。
うらやましくなるとわかっているからだ。
「暇になったら、会いに行くって言っといてよ。前田ジュニアにも会いたいしね」
私は精一杯笑いながら言った。
「そろそろ戻るね」
私は時計を見て言った。
「じゃあ、来週の金曜日くらいに連絡するよ」
前田はそう言って、現場に戻っていった。
私も事務所に戻って、仕事を始めた。
18時過ぎ、亮から残業になるとメールがきた。
「22時過ぎそうだから、先にご飯食べていいよ。俺も適当に済ますから」
私が帰る支度をしているとまたメールがきた。
「了解。頑張ってね」
私は返信をして、事務所を出た。
真っ直ぐ帰る気になれず、私はズブロッカに行く事にした。
亮と付き合いだしてから、2人では何度か行ったが1人で行くのは初めてだった。
不思議と少し悪い事をしている気がして、楽しくて足早にむかった。
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