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14時半前に待ち合わせ場所に付き、私と亮は喫煙所でタバコを吸って待つ事にした。
「関口には気をつけてね」
亮が心配そうに言った。
「わかったよ」
私は呆れた顔で言う。
この会話は、事務所を出てから何回も繰り返されていた。
関口さんは女癖が悪いらしく、亮は心配してくれているらしい。
「私なんか相手にされないって。心配しなくて大丈夫だよ」
私は亮をなだめる様に言った。
「今日、紅一点だよ」
1ヶ月くらい前に事務員などの女の子達は、事務所を引き上げていた。
「あのね、私は大抵紅一点だから」
私がそう言うと、亮は苦笑いした。
「お待たせしました」
缶ビールを1ケース抱えた前田が喫煙所に現れた。
亮も一緒だと言ってあったからか、前田は約束よりも早くきた。
「一服してから移動する?」
私がそう聞くと、前田はビールを置いてタバコを吸いはじめた。
「ちゃんと、ビール冷えてた?」
「ケースで冷えてるの?」
私が前田に聞くと、亮が不思議そうに言った。
「佐々木がお店に電話入れてくれてたから、ちゃんと冷えてます」
前田が2人の質問に、まとめて答えた。
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