働く女

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「お疲れ様です」 15時少し前に3人は事務所についた。 「受け付けしてもらってもいい?」 私と前田は受け付けを済ませた。 「会費3000円は良心的だね」 2人でにやにやしながら、小声で話した。 亮を目で探すと、すでに下請けの人達に囲まれていた。 「滅多に顔出さないから、たまに参加すると大変だね」 前田が私に耳打ちした。 「私達も頑張らないとね」 私は自分の名刺を確認しビールを取りに行った。 お決まりの所長の長い挨拶を聞き、泡のなくなったビールで乾杯をした。 「まずっ」 思わず前田と声が合った。 「そろそろ行く?」 私と前田は缶ビールを片手に、挨拶回りをする事にした。 「じゃあ、俺こっちから行くよ」 私は頷き、前田とは反対の方へ向かった。 「お疲れ様です」 「佐々木さん、ありがとう」 私は名刺交換した事がある顔だと確認し、ビールをつぐ。 「佐々木さんもどう?」 「ありがとうございます」 私は笑顔でコップを空け、ビールをつがれる。 「佐々木さん、今西園寺の現場なんだよね」 「はい、お世話になってます」 「あんな大きな現場に出向じゃあ、ますます結婚どころじゃないね」 「まあ、現場の大小は関係ない感じですけどね」 私は笑顔で答えた。
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