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「もうすぐ着くから、前田さんに電話した方がいいんじゃない?」
亮に言われ、私は前田に電話をした。
「来年、プロポーズするから」
と亮に言われて、もうすぐ1年が経つ。
7月最後の日曜日、私は初めて真理ちゃんに会いに行く事にした。
「前田のマンションを少し過ぎた所に、コインパーキングがあるって」
私は亮に、前田に言われた事を伝えた。
「お土産、持った?」
「持ったよ」
パーキングに車を止め、私達は前田のマンションに向かった。
「佐々木さん、来てくれてありがとうございます」
玄関で笑顔の真理ちゃんが迎えてくれた。
「西園寺さんも忙しいのに、すみません」
私達にスリッパを出して、真理ちゃんはリビングに案内してくれた。
「これ、お土産。何がいいかわからなくて、結局ケーキにしちゃった」
私がケーキを手渡すと、真理ちゃんは嬉しそうにお礼を言った。
「西園寺さん、佐々木、いらっしゃい」
前田の声に振り向くと、子供を抱いた前田がリビングに入ってきた。
前田の腕の中で、気持ち良さそうに眠る子供は小さくて可愛かった。
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