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18時になり、清水が私のところに来た。
「どうしたの?」
帰り仕度をしながら、私は言った。
「俺も打ち合わせに連れていって下さい」
私は手を止めて、清水を見た。
「私が1人でやる仕事だよ。来てもしょうがないよ」
私は帰り仕度をまた始めた。
「部長と佐々木さんの打ち合わせ、見てみたいんです」
私はまた手を止めて、清水を見た。
清水は真面目な顔で、私を真っ直ぐ見ていた。
「今度じゃ駄目?」
私は試しに言ってみたが、清水は返事をしなかった。
時計を見ると、18時5分を過ぎていた。
「時間ないよ」
私は呟いた。
「あぁ、もうわかったよ。ただし、今日は打ち合わせだけじゃないからね」
様子の変な清水を説得する時間もない私は、諦めたように言った。
「ありがとうございます」
清水は笑顔で返事をした。
「後、今日の打ち合わせの内容は誰にも言っちゃ駄目だよ。言ったら、殺す」
私が念を押すように言うと、清水は緊張した顔で返事をしてデスクに戻り帰り仕度を始めた。
帰り仕度を終え、亮に挨拶をして清水と事務所を出た。
待ち合わせ場所のカフェに着いた時は、ぎりぎりの時間だった。
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