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「私、たぶん結婚します。スケジュール的には何も決まってませんけど」
そこまで言って、口を開きそうになった清水を見た。
清水は口を閉じ、小さく頭を下げた。
「子供も欲しいと思ってます。もちろん、仕事も辞めるつもりはありません」
「よしっ」
私の言葉に部長が頷きながら小さく呟いた。
「そこで相談なんですが、子供が出来たら会社を1回辞めさせてもらえませんか?」
「え?」
清水が驚いて声を出した。
「清水、黙って最後まで聞けよ。佐々木、それでどうしたい?」
部長が私を真っ直ぐ見た。
「独立なんて大袈裟な事は言いませんが、契約社員みたいな形にしてもらいたいんです」
亮の現場以外でやっている仕事の様に、打ち合わせをして家で仕事をやることが出来れば子育てと両立出来ると思っている。
収入は減るが仕事の量も1日3時間程度で大丈夫だ。
私はそう説明した。
「会社の都合に合わせますから、毎日コンスタントに仕事が貰えなくても大丈夫です。何よりも、ブランクが怖いんです。ある程度子育てが落ち着いたら、私は復帰したいんです」
私は一気に思っている事を部長に話した。
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