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「は…はい」
私は曖昧な返事をした。
「ちゃんと言わなかった俺が悪いけど、週末って日曜の事だから」
亮が私にしか聞こえないほどの小さい声で言った。
私は一気に顔が赤くなった。
「し…清水にご飯行けるか聞いてきます」
隠しきれない動揺に慌てながら、清水のデスクに向かった。
亮は笑いを堪えているようだった。
「西園寺さんが一緒にご飯どうですかだって」
私は冷静を装って、清水に聞いた。
「行きます」
清水は嬉しそうに返事をした。
18時過ぎに私達3人は事務所を出た。
「居酒屋にしますか?」
亮が駅に向かう道で歩きながら聞いた。
「清水、行きたい所ある?」
プロポーズで頭がいっぱいの私は、考える余裕がなく清水に振った。
「前に前田さんもいた時に行った店に、また行きたいです」
清水は駅前の店の事を言い、3人でそこに行く事になった。
チェーンの居酒屋なのだが、落ち着いた雰囲気で料理が美味しい店だ。
18時過ぎという事もあり店はまだ満席にはなっておらず、私達は奥の静かな席に案内された。
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