プロポーズ

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「陽子、そろそろ起きようよ」 日曜日の朝、亮の声で目が覚めた。 薄目を開けて亮を見ると、私を優しく見つめていた。 まだ眠い私はごまかすように亮に抱き着いて、また目を閉じた。 「陽子、今日は出掛けるんだよ。シャワー、俺が先浴びるよ」 私の腕を振りほどくように亮がベッドから起き上がった。 「今、何時?」 私は開かない目を、無理矢理薄目で開けて亮を見た。 「10時過ぎたところ」 亮はそう言って、私のおでこにキスをして寝室を出ていった。 「今日、日曜日なんだからもう少し寝かせてよ」 寝室のドアが閉まる音を確認して、私は呟いた。 そして自分で呟いた日曜日という言葉で、今日が約束の週末だという事に気がついた。 さっきまで開かなかった目がばっちりと開き、頭が冴えはじめた。 慌てて起き上がろうとして動きを止めた。 亮がシャワーを浴び始めた音を確認してから起き上がった。 動揺を隠すようにそっと寝室を出て、リビングのソファーに座りタバコに火をつけた。 頭の中を整理するように考えた。 亮は出掛けると言っていた。 どこに行くのかは言っていなかった。 去年プロポーズの予告をしたホテルのレストランだろうか。 服の用意をしていないから、去年と同じでいいのだろうか。
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