プロポーズ

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「よく結婚なんて紙切れ1枚だなんて言われるけど、俺はそんな事ないと思う」 亮の言葉に私は大きく頷いた。 少なくとも私達にとってはそんなに簡単なものではない。 「これから大変だよ。陽子、覚悟しといてね」 「そうだよね。やることいっぱいだね」 私は苦笑いしながら答えた。 「でも、色々考えるのは明日からにしよう。今日は、2人で楽しもう」 亮はそう言って私の手を引いて、駐車場に向かって歩き出した。 「この後はどこ行くの?」 歩きながら私が聞くと、亮は首を傾げた。 「何にも決めてない。とりあえず、アクアライン往復して指輪でも見に行く?橋は渡りたいでしょ?」 亮に言われ、私は勢いよく頷いた。 車は海の上を走り、私は何も言わずに景色を眺めていた。 あの日と同じ綺麗な海に私は思わず、 「亮、好きだよ」 と呟いた。 「俺も、好きだよ」 あの日と違って亮は動揺もせず、そう囁いた。
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