プロポーズ

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「この後、どうする?」 亮がコーヒーを飲みながら聞いた。 「ズブロッカに行こうよ。マスターに結婚の報告しようかな」 私は少し考えて言った。 「あ、前田にも言わなきゃ。マスターの後じゃ悪い気がする」 私はそう言って、携帯でメールを打ちはじめた。 「メールでいいの?」 亮が驚いた顔をして言った。 「幸せな話はメールで十分だよ。どうせ明日、事務所に顔出すんじゃない?」 亮は少し笑って頷いた。 「あ、親に報告する前にマスターってどうなのかな」 私はそう呟いて、可笑しくなって笑ってしまった。 「細かい事は明日から考えよう。今日は楽しもうよ」 亮が優しく笑って言った。 「そうだね。たまたま今日、ズブロッカに行くって事でマスターは特例扱いにしよう」 私が少し茶化す感じで言って、2人で笑った。 「できた」 私は亮に前田に送信する前のメールを見せた。 「亮と結婚することになった。詳細は後日」 メールを見て、亮が吹き出した。 「業務連絡だね。絵文字とか使わないの?」 「らしくないことはしない主義なの」 私がそう言うと、亮が頷きながらまた笑った。
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