ズブロッカ

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「やりたい事と出来る事しか言わないよ」 と亮が言ってくれたあの日から、私の中で何かが変わり始めた。 亮となら前に向かって並んで歩いていけると思った。 私の目から、涙が溢れた。 亮が優しく私の頭を触った。 その亮の体温が私を幸せにしてくれる。 私が顔を上げて亮を見ると、亮は私を優しく見ていた。 「カウンターでキスとか止めてね」 マスターが笑いながら言った。 「そんな事しないよ」 私が我に返り慌てて言って、3人で笑った。 「そろそろ帰ろうか。早くキスしたいし」 亮が真顔で言って、私の顔は真っ赤になった。 「お金、今日はいらないよ。全部俺のおごり」 マスターの言葉に、私はびっくりしてマスターを見た。 「その代わり、結婚してもちゃんと常連さん続けてよ」 マスターの優しい笑顔に私は素直に頷いた。 「ありがとう」 「ごちそうさまです」 お礼を言って、私達は店を出た。 珍しくマスターは店の外まで見送ってくれた。 「誰かに祝福されるって幸せだね」 帰り道、私は亮に言った。 「そうだね。これからもっともっと幸せになれるよ」 亮の言葉に私は大きく頷いた。
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