【第1語:初めての転校生】

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一方、一之瀬静空はというと……、何故か怯えたような表情をうかべていた。 「ところで日和、その……リーダーは?」 「さ~て?」 一之瀬静空の寝坊はこれが初めてではない。今や遅刻の常習犯扱いされるほどだ。 “慣れ”というものが人にはあるが、未だ一之瀬静空が寝坊し遅刻することに慣れることなく、朝の支度をたった2分程度で済ませてしまうくらいに焦るのには理由がある。 「オレがどうかしたか?」 知らぬ間に、一之瀬静空のすぐ後ろに大男が立っていた。 「うぎゃぁあーーーッ!!!」 この叫ばれた男こそがその理由。 影中闇一(カゲナカ ヤミイチ)、チーム49のリーダーである。 「なんだ朝から。まるで今にも殺されるかのような悲鳴だな。」 「ふふふっ、しぃちゃん可愛い♪」 影中は呆れたように、日向は楽しそうに笑った。
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