血の雨

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「とりあえず雨宿りしよう!」 ソラがブランコから降りた瞬間 バタンッと音が聞こえた。 隣のブランコに座っていたユミコが地面に転がっていたのだ。 「おい何やってんだよ」 ユミコからの返答がない。 「ど、どうしたんだよ」 ユミコを揺さぶった。 しかしピクリとも動かない。 「ユミ…コ…」 驚きのあまり声が震える。 ソラは公園に設置されてある公衆電話で救急車を呼んだ。 救急車が来たのは20分後─ 既に息はひきとっていた。 それから数日─ ソラは家に閉じ籠っていた。 幼なじみの突然の死。 あまりにショックが大きい。 「おはよう」 ソラは食卓に座っている父に挨拶をした。 父の名はリク。 車の整備会社で働いている。 「具合はどう?」 キッチンから母の声が聞こえた。 母の名はユキ 専業主婦だ 「もう大丈夫」 そう言ってソラも食卓に座った。 するといつも早起きの妹がいないことに気がついた。 妹の名はウミ。 小学三年生だ。
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