血の雨

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「ねえウミはどうしたの?」 キッチンから戻ってきた母に尋ねた。 「ウミなら熱がでて部屋で休んでるわよ」 ただの風邪か? そう思い、あまり気に止めなかった。 「さっ食事にしましょう」 母は同時に手を合わせる。 黙々と箸をはこぶ三人。 ウミがいないとこんなに静まりかえるなんて思ってもいなかった。 沈黙に絶えきれなくなった父は、テレビのリモコンを手に取りニュース番組をかけた。 『世界中で一時的に降った赤い雨、世間では血の雨などと騒がれております』 ソラは血の雨という言葉で、テレビに耳を傾けた。 「直接この血の雨に触れた人の一部は何らかの病気におかされており、被害者数は膨大な数に膨れ上がっています。」 ニュースキャスターの言葉でソラの体が凍りつく。 ってことはユミコの死因ってまさか…。 俺も死ぬのか…。 頭が真っ白になる。 そしてソラは何も言わずに自室に戻った。 恐らく父と母が呼び止めていたのだろうが、ソラの耳には届いていなかった。
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