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「あれ?君…」
あれから数日が過ぎた。
太郎は再び幽子と出会った。
「太郎くん!こんにちは!」
「犬…、まだ見つからないの?」
「うん…。ずっと探してるんだけど…」
「保健所とかに行けば居るかな?誰かが拾って行ったのかも。」
「私、ここ離れられないから…」
「どうして?」
「それは…、あ!太郎!」
幽子が道に飛び出した。
「あぶない!車!」
キキーーーーー!
車が急ブレーキをかけた!
太郎は幽子を探した。
居ない…
車の運転席から男が降りてくる。
「き、君!今の女の子は?」
「居ません…」
「え?」
「彼女は…、幽子ちゃんは死んだんです。もうずっと前に。自分の飼い犬の太郎を見つけて道路に飛び出して…」
男は気味悪そうな顔を浮かべると、急いで車に乗って逃げた。
後には太郎だけが残った。
後日、太郎は小道の道路の端に、幽子あての花束を置いた。
太郎が幽子と出会う事はもう無かった。
終わり。
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