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10年前。
幼稚園の広場があった。
そこにはジャングルジムや滑り台やブランコなどがあり、走り回れるくらいに広い。
太陽は真上から地面を眺めていた。
砂場で野球帽を被った男の子が大きな男の子に反論している。
「ぼく、ひろくんにタッチしたから、オニかわってよ」
「オマエは、3回おんなじやつタッチしないとオニは、かわんないの!」
「なんで、ぼくだけ……」
帽子の少年は下を向き涙を我慢している。
「オマエ、ゲームいっぱい、もっててムカつくからだ」
「そうだ、そうだ!」
大きな男の子が言うと周りにいた数名の男の子も賛同する。
「……じゃあ、ぼくのゲームあげるから、ルールかえてよ」
帽子の男の子はゲームをあげるだけで、まともに遊べるならとゲームを譲る事を了承した。
男の子は気弱な為に、他の手段はなかったからだ。
「マジかよ!?……よし、いいぜ」
「じゃ、じゃあーー」
大きめの男の子は腕を帽子の男の子の肩の上にのせた。
「よし、幼稚園おわったらオマエのいえにいくぞ!」
「えっ?……うん」
帽子の男の子はゲームだけ取られて、遊んでもらえないかもしれないと思ったが了承するしかなかった。
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