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「…どうも。」 カバンを持って、帰ろうとすると、腕を掴まれた。 「ちょっと待ってて。これ、置いて来てから、送る。」 「え?いいよ。家近いし大丈夫。」 風間くんの申し出を断ると、片方の眉を上げて不満顔。 「ダメだよ。女の子なんだから、ちゃんと送る。」 ここで、女の子扱い? 今まで言われた事のない言葉に戸惑いながら、 「や、マジで平気。私、面白いかも知れないけど、可愛く無いから大丈夫。」 自虐的な言葉を吐いてみるけれど、風間くんは、ますます不機嫌な顔をして、自分のカバンを肩にかけて、私の腕を掴んで、歩き出した。
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