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帰り道、陽太は中井さんとの会話を事細かに語る。
しかも、めっちゃ楽しそうに。
はっきり言って、うざい。
陽太もやっぱり可愛い子が好きなんだな。
そりゃ…私は…無いか。
曖昧に返事を返す私に気付きもせず、話しを続ける陽太。
「中井さんと仲良くなれて良かったね」
「いやー、レミちゃん可愛いよねー!
『えみ』と『レミ』一文字違うだけで大違い」
…コノヤロウ。
黙って聞いてりゃいい気になりやがって!
「悪かったねっ!」
「痛っ!」
陽太のみぞおちにパンチを喰らわせて、さっさと歩く。
いつもの別れ道で振り返り
「ザマーミロっ!」
と舌を出して言い放ち、再び歩き出せば背後から陽太の
「えみっ!てめぇ、覚えてろ」
なんてケンカ腰の声が聞こえて来た。
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