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まだ歩き慣れない道を、少し速めに歩く。
いまだに現実味を帯びない世界を、早く本当だと確かめたくて…
商店街を抜けて、公園の角を曲がる。
公園にやわらかく咲き誇る桜の花びらが、風に運ばれて私の頬をなでる。
桜の花にみとれながら、少し歩くと見えてくる、小さなかわいらしい家。
最初にこの家を見たとき、本当にここにあの人が住んでいるのかと
ちょっと、いやかなり驚いたっけ。
玄関のドアに手をかけると、予想通り鍵が開いている。
それが嬉しくて、ちょっと頬が緩む。
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