翔凛高校

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自然と顔が暗くなる。 「そっか。それならしょうがないよね。 瑠羽ちゃん、気にしないでね。」 私の様子に気づいたのか、拓が優しく言ってくれる。 「放課後は、全部ダメなのか?」 洸が少し納得いかないような顔で聞いてくる。 『…うん。ダメなの…。ごめんね。』 「そうか…。」 しんみりした空気になってしまった。 なんだかホントに申し訳なくなってくる。 「でもっ、学校で毎日会えるもんねっ!」 と、俊が明るくそう言ってくれる。 「「「「そうだな。」」」」 それにみんなが答えて、少し場の空気が持ち上がった。 『うん。学校で仲良くしてくれると嬉しいな。』 私がそう言うと、みんなもちろん、と頷いてくれる。 それにまた嬉しくなった。 それから、お礼の事はまた今度、と言って、みんなまた明日~と帰っていった。 正直、もうお礼なんて、みんなと仲良くなれたから充分、って思ったけど、 お礼をしてもらったら、みんなとの関係もなくなるのかな、って思ったら、 なにも言えなかった。 まだ出会ったばかりの彼らだけど、 すでに私は、彼らと離れたくないって思うようになっていた。 こんな温かい感情初めてで、 この感情を、彼らを、大切にしたい そう思った。
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