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夕飯の支度が終わって、ホッと息をついた時、
「ただいま~。」
と言って、少し息を弾ませたお兄ちゃんが帰ってきた。
また急いで帰ってきてくれたんだ…。
その姿を見て、途端に申し訳なくなる。
私のためなんかに、急がなくていいのに…。
お兄ちゃんが、9時を過ぎて帰ってくることは、まずない。
こんなの、普通の大学生にとったら、有り得ないこと。
そんなことを、毎日律儀に守って帰ってくるお兄ちゃん。
お兄ちゃんをそうゆう風にさせているのは、
紛れもない私で、
お兄ちゃんの生活を縛ってしまっているけことに、酷く罪悪感を感じる。
そんなのに比べたら、家事をやることなんか、なんの苦でもない。
そんな今日は、ある決意をして、私はお兄ちゃんを待っていた。
やらなきゃいけない事がある。
今まで気づいてたのに、してあげられなかったこと。
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