許し

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教室に行くと、いつもなら私より先に来ていた 俊と竜の姿がなかった。 ちょっと気になったけど、2人は暴走族な訳だし毎日朝早くから、学校にいる方が変か、 と、1人納得した。 午後になっても、俊達は教室に現れなかったけど、 それほど気にせず、いつものように屋上に向かった。 ってか、私、午後は屋上ってゆうのがパターン化しつつあるんだけど 彼らの縄張りに、さも当たり前のように行っていいのだろうか? とか、今更ながらに考えながら、 それでもやっぱり彼らに会いたくて、屋上の錆び付いたドアを開けると、 今日一度も見ていなかった俊と竜を含め、 飛龍の5人が、勢揃いしていた。 『あれっ、みんな揃ってるなんて珍しいね。』 いつもは、誰かしらいないのに。 まあ、大抵いないのは、洸と、教室で寝たままの竜なんだけど。 そんなことを思いながら呑気に彼らに近づいたんだけど、 『……。』 彼らのまとっているオーラが、いつもと違う事に気づいて、言葉をつぐんだ。 このオーラは知ってる。 お兄ちゃんが怒ったときとかに出す、ピリピリしたオーラ。 ーー族特有のオーラ。 いつもはみんな、オーラを発してるけど、その雰囲気はあったかいから、 ああ、みんなやっぱり暴走族なんだって この時思った。
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