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うぅ…
「瑠羽、来たよ。」
うぅ…。
「瑠羽、どうすんの、あれ。」
『うぅ、知らないよ~。こっちが聞きたい。』
さっきから、廊下から聞こえる黄色い声が
どんどんこっちの方に向かってきているのが分かる。
彼らだ。
絶対彼らだ。
さっき、気にしないって決めたけど、
やっぱりあの歓声のなか、彼らの所に堂々と出て行く勇気なんてない。
そんなに私の心臓はアグレッシヴなものじゃない。
むしろ、チキンハートだこのやろう。
「瑠羽。」
『うぅ~。』
希咲が心配そうに私を見てくる。
「あ~もうっ!!瑠羽、私に任せなさいっ!」
希咲はそう言うと、ガタンと席を立ち上がって、
ずかずかと、黄色い声が溢れる廊下に向かっていった。
『えっ、ちょっ、希咲っ!!』
慌てて希咲の後を追う。
「ちょっと~あんたたちっ!この黄色い声どうにかしなさいよっ!
ウザイったらありゃしないっ!!迷惑よっ迷惑っ!」
廊下に出ると、希咲が蓮に掴みかかっていた。
ひょえ~、希咲~
「…鬼蝶か。」
「あれ~鬼蝶さん。どうにかしろって言われても、俺達も困ってるし。」
拓が希咲をなだめる。
「ああ"、んなの関係ねーんだよっ。てめーらのそのキラキラフェイスのせいで、コッチは迷惑してんだよ。」
き、キラキラフェイスって希咲…
ここが学校だってことを忘れてるのか、
あっちの世界モード全開の希咲。
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