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先ず青年が見出だした可能性。
それは[夢]
夢ならばこの光景を見ることも安易。
また確認も安易。
右頬をつねる。
直ぐに痛みが脳に伝わった。
同時に夢でない事も伝わった。
夢でなければ、何か。
頭の隅の隅に浮かんでいたもう一つの可能性。
何らかの理由で[異世界に飛ばされた]事。
青年の頭に浮かんだ可能性。
夢が九割九分、そして異世界に飛ばされた。が残りの一分を占めていた。
そして青年は一分の可能性を認めた。
いや、認めざるを得なかった。
「そんな所に突っ立って、掃除の邪魔よ」
神社の境内、更に中心部。
そこで青年は鳥居の方を向き、ひたすら思考に浸っていた。
邪魔で当然。
「ああ、スマン。少々思考に浸っていた」
後ろから声を掛けられ、上半身のみを捻り振り向く。
脇の部分が開き、赤と白のみで構成された巫女服を着た13、4才程の少女。
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