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「猿にマナー」
結局一人で行くことにした。姉が行けないからといって友達も呼ばずに孤独な映画鑑賞をする必要はないのだが、いつも双子ワンセットで数えられる分たまには一人もいいだろう。あてつけのつもりは多分ない。
映画館が近場にあるとして、しかしそれを便利だと思うのはよっぽどの映画好きだけだろう。少々遠くとも滅多に行かなければ変わらないのだ。
なんて無駄なことを電車の中で考えている。目的地が映画館である故か、電車で四駅の距離は僕には近く感じられる。思考していれば時間が早く進むのもあるかもしれない。
電車の扉や窓にマナーを呼びかける広告を見ると、小学生じゃないんだから、と思ってしまう。マナーとは最低限の倫理観。それが備わっていない人間は最低限の生活を保証されるべきではない。猿扱いでいいだろう。倫理が分からぬ者に倫理で以て接することの無意味さを考慮すれば、むしろその方がいいとさえ思う。
こんな風に言うと極論だと思われるのだろうか。しかし僕はこれを極論だと思える人を尊敬する。何故ならその人はマナー違反を見かけたら必ず注意し、違反者を人間扱いしている人だからだ。そういう人こそ教育関係の仕事に就くべきだと思う。
日本人の大多数、マナー違反を見ても無視したり、嫌な顔をするだけの人は、違反者を人と見ていない、つまり僕と同じ考えの人なのだ。僕の考えは極論どころかメジャーである。
ちなみにマナー違反をする人は人ではないのでこの中に含まれない。僕の感覚では彼らを殴っても器物損壊である。ハンムラビ法典よろしく、倫理無視には倫理無視で対抗してみようか。
面倒なのでしないけれど。
嘆かわしい世の中だ。
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