死神

4/74
前へ
/208ページ
次へ
マリーナはサラとジオに気づくと、大きく手を振った。馬に乗りなれているようで、片手で手綱を操っている。 サラは少しだけ目を細めた。サラが聞いたわけではないが、マリーナはたぶんジオのことが好きだ。昨日ジオはサラ一筋と言ってくれたから落ち着いているが、まだ怖い。 「サラちゃん、女の子だー! かわいい!」 「ありがと。」 マリーナの希望でサラとジオは敬語を使わない。マリーナいわく、固いのは嫌いだそうだ。 「サラは歩きなの? 足疲れない?」 「たぶんだけど、大丈夫。鍛練の一貫ということで。」 「おっ、すごい心意気。」 マリーナはにこにこ笑う。一団は歩き出し、街の門へと向かった。
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加