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お前は?とでも言いたげな視線を遣したが、固まっている私の手が持つ個展の作品を見て納得したそうだ。 「大変だよな、それ。 しかも今、お前スランプ状態なんだろ。 あんま無理し過ぎんなよ」 と、労いの言葉をかけてきた。 会話してる、それに心配までしてくれてる! 嬉し過ぎる!! …じゃなくて! 「話、聞いてたの?」 うっかり見落とすところだった。 スランプ状態にあることを知ってるとすれば、さっきの先生との会話を聞かれていたに違いない。 と言うことは。 つまり、私の恋愛話のくだりも聞かれているかもしれないのだ。
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